ダイヤモンド・CBNホイールの種類と特徴
レジンボンドホイール
レジンボンドホイールは、合成樹脂を結合剤として使用する研削加工工具で、下記のメタルボンドホイールなどに比べてその柔軟性が特徴です。これにより、加工中の発熱を抑え、加工物の熱損傷のリスクを低減しながら、非常に滑らかな表面仕上げを実現します。
硬質材料の精密加工に適しており、ダイヤモンドやCBNなどの硬質研磨粒子を使用して、タングステンカーバイド、セラミックス、硬質合金などの加工に利用されます。工具や金型の精密研磨、光学部品や半導体素材の研磨など、高精度が求められる用途に広く使用されており、複雑な形状の研磨にも適していることから、精密工業分野での需要が高い工具です。
メタルボンドホイール
メタルボンドホイールは、金属を接着剤として使用する工業用研磨ツールで、その高い硬度と耐久性が特徴です。金属ボンドは、研磨粒子を非常に強固に保持し、長時間の使用にも耐えることができます。このため、メタルボンドホイールは摩耗しにくく、研磨粒子の露出が一定であり続けるため、均一な研磨作業が可能です。
メタルボンドホイールは特に硬質で破壊に強い材料の加工に適しており、ダイヤモンドやCBNなどの硬質研磨粒子を用いたものが一般的です。これにより、コンクリート、石材、ガラス、セラミックスなどの硬く、脆い材料の加工に使用されます。また、長期間にわたる連続使用が可能であるため、大量生産環境や、厳しい加工条件が要求される場合に特に有効です。
ビトリファイドボンドホイール
ビトリファイドボンドホイールは、ガラス状のセラミック材料を接着剤として使用する工業用研磨ツールです。このホイールの主な特徴は、その高い剛性と耐熱性にあります。ビトリファイド(ガラス化)ボンドは研磨粒子を強固に保持し、高温でもその形状を維持する能力があります。これにより、研磨中の温度上昇による影響を最小限に抑え、精密な加工が可能となります。
ビトリファイドボンドホイールは、特に硬質で熱に敏感な材料の加工に適しています。ダイヤモンドやCBNなどの硬質研磨粒子を使用したものが一般的で、これにより鋼、超硬材、セラミックスなどの加工に用いられます。また、熱影響を受けやすい材料や、熱による変形や損傷を避けたい精密部品の加工にも適しています。
電着ホイール
電着ホイールは、研磨粒子を金属基材に電気めっきの手法で固定する工業用研磨ツールです。このホイールの主な特徴は、研磨粒子が非常に高密度で均一に分布している点と、粒子の露出度が高いため、鋭い切れ味を長期間維持することができます。
電着ホイールは特に、ダイヤモンドやCBN(キュービック・ボロン・ナイトライド)などの硬質研磨粒子を用いることが多く、硬質で摩耗に強い材料の加工に適しています。このため、石材、ガラス、セラミックス、タングステンカーバイド、硬質合金などの加工に広く用いられます。
電着ホイールのもう一つの大きな利点は、カスタマイズの容易さです。研磨粒子の密度や分布、粒度などをユーザーの要求に応じて調整することができ、特定の加工要件や特殊な形状の加工に柔軟に対応可能です。また、研磨粒子が均一に分布しているため、加工面に均等な圧力を与えることができ、高い加工精度を実現します。
代表的な形状
ストレートホイール
カップホイール
フラーリングカップホイール
ディッシュホイール